不動産投資用のローンをしている現地銀行から昨年度の返済明細書が届きました。
<2016年度 ローン返済明細>
①借入金総額 $557,780(2016年4月1日)
②借入金総額 $536,173(2017年3月31日)
③元本返済総額 $21,607/年(①ー②)
④金利返済総額 $19,550/年
⑤返済額合計 $41,157/年(③+④)
■現在の返済状況
保有している3軒それぞれにローンがあり、2つは昨年から開始した3年固定金利(4.39%)にしています。
金利が下がったタイミングで、返済方法を利息のみから元利均等払いに切り替えました。返済した借金はまだ「氷山の一角」程度ですが、利払いしかしていなかった時と比べ精神的な負担も減った気がします。
もう1つのローンは変動金利で利息は5.45%と高くなります。
借入額から預金額を差し引いた額にのみ利息が発生するオフセットアカウントのため、預金額を減らさなければ、元本返済はハイペースで進んでいきます。
実際、元本返済総額(③)の約半分はこのローンの返済です。返済ペースが変わらなければ、ローン総額が50万ドルを切るまで2年かかりません。
■エクイティ活用もできるけど...
不動産投資の場合、持ち家のエクイティ(純資産価値)を使って銀行ローンを利用できる場合があります。手持ち現金をあまり使わずに投資用不動産を購入する手法です。
ここ数年の不動産価値上昇で、確かにエクイティは膨らんでいます。エクイティローンで不動産を買えば資産は増やせますが、毎月のキャッシュフローはマイナス(赤字)になってしまうでしょう。
■過去の苦い経験
私は以前、個人で小さなお店を経営していたことがあります。
配達の途中で交通事故を起こし仕事用の車を潰してしまいました。さらに事故の怪我で自分が一定期間働けなくなるというオマケつきです。
車両は修理できる状態ではなかったので買い替える他ありません。また、自分の代わりに働いてくれるパートさんを増員したことで人件費がかさんでいきました。
悪いことは重なるもので、もう1台の配達車両がまたも事故で廃車になってしまいます。支出が増えている状態で売上が減ると、キャッシュがどんどんタイトになっていきます。
売掛がほとんどない商売だったこともあり、現金はそんなに多く持つ必要はないだろうと、新米経営者の私は高をくくっていましたが、結局それが仇になります。
怪我が完治した後、店を回復させる時間的・経済的余裕はありませんでした。身体も無理できなかったため、結局ビジネスを同業者に売却することにしました。
■キャッシュの大切さを知る
この苦い経験から、ビジネスをする上では、いつやってくるかわからないピンチに備えて現金に余裕を持っておかなければならないことを学びました。
ニュージーランドの不動産経営では、賃貸需要が強いおかげで、これまでテナントが決まらなかったということがありません。また、レントを上げることで少しずつ収入を増やしていけます。
一方、支出面では、時折発生する修繕や法改正による新たな設備投資(例:断熱材設置)など、想定外の費用がかかることがあります。
ローンも低金利が続いていますが、リーマンショック前のFloating rate(変動金利)は10%を超えていました。消費者金融ばりの利率です。
出典:Reserve Bank of New Zealand
低金利の時は黒字経営できていても、かつてのように金利が上がれば、簡単に赤字に転落してしまいます。最悪の場合、望まないタイミングで物件を売却しなくてはならなくなることもあり得ます。
同じ失敗を繰り返さないように、現預金は一定額をキープしています。
■現在の不動産投資方針
5年前と比べ、不動産価値は2倍になり、レントの年間収入も約1万ドル増えました。時間がかかるビジネスですが、長く続けるほど右肩上がりに資産と収入が増えていきます。
スピードをあげる(短期で儲けようとする)ほど、事故る(失敗する)確率が高くなるのは車の運転と同じです。とばさず安全運転(黒字経営)をして行くことが投資やビジネスで失敗しないための秘訣だと信じています。
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