価値を見抜く目を持っていますか？

以下の画像はNew Zealand Herald紙の記事からの抜粋です。このくたびれた感じがする家の価格はいくらでしょうか？

過去10年間、誰も住んでいないので、家の中は以下のように荒れた感じになっています。リビングと思われる壁紙の色は変色し、ところどころ破れてしまっています。塗装も剥がれ黒ずんだ汚れも目立ちます。

下の写真は、エメラルドグリーン？とブルーに染められた異様に思える趣味のキッチン。この状態では汚くてとても使えそうもありません。

壁紙が豪快に破れて下地の木材が見えてしまっています。フルリノベートが必要な状態です。

長期間放置され、全面改装しなければ住めそうもない築100年のこの家は、昨年11月に195.5万ドル（約1億5000万円）で売却されました。

高額で売却された理由の一つは「立地」です。まず、オークランドのデボンポートにある、と聞いただけで「なるほど」です。

さらにカフェやレストランなどがあるVillageやフェリー乗り場まで徒歩圏。静かな環境で人気があるcul de sac...　誰もが住んでみたいと思うような土地の上に建っているのです。

この家には、さらに大きなポテンシャルがあると話すのは、現地の人気テレビ番組「The Block NZ」（家をリノベートして売却額を競う番組）の現場責任者で、デポンポートが地元のPeter Wolfkamp氏です。

建築の専門家から見ると、この家は広い廊下、高い天井、窓の額縁などに歴史を感じさせる特徴があり、魅力的で貴重な物件だと言います。

また、不動産査定会社QVのAndrea Rush氏によると、この物件が価値を高めている理由として以下の点を挙げています。

①伝統を重んじるデボンポートのイメージにあっていること。
②美しいオールドティンバーが使われていること。
③一般的な平屋ではなく２階建であること。
④天井が高く、窓から海が見えること。

2階の窓からの眺望

宗主国であったイギリスの古き良きものを大切にする文化はニュージーランドに色濃く残り、歴史あるものはアンティークとして価値を見出します。

特徴を活かすようなリノベートでこの物件が蘇った場合、家の価値はおよそ400万ドル（約3億円）になるだろうと記事は伝えています。リノベートに多少コストがかかっても、十分なリターンが望めるでしょう。

今回は高額物件でしたが、そうでない物件でも見た目以上のポテンシャルを持っていて、リノベートによって価値が大幅に上がるということはよくあります。

本質的価値を見極める目を持っているかどうかが、投資においては重要な意味を持つことを教えてくれています。


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