「選挙向け」に労働党が明らかにした政策とは...
オークランドで不動産投資していると”風当たりが強くなっている”と感じることはあっても弱まっていると思うことはありません。
メディアが「価格が高くて家が買えないと嘆く人々」にフォーカスするほど、投資家は住宅価格を釣り上げた”戦犯”のように扱われます。
そんな中、労働党(野党第一党)のアンドリュー・リトル党首が今年の選挙に向けて、党が掲げる住宅対策についての政策を明らかにしました。
この中には、個人収入と相殺できる経費枠の削減や、赤字控除の段階的廃止など、合法的に節税できる範囲が狭くなる政策が含まれます。
リトル氏は、ターゲットにしているのは、投機目的で不動産を転売して利益を得ている人々で、不動産バブルを懸念している国際通貨基金(IMF)やニュージーランド準備銀行もこの政策を勧めている、と主張しています。
しかし、リタイヤ後の収入源として不動産投資をしている「普通の個人投資家」にも政策による影響がでることは必至で、リトル氏もそれを認めています。
2月の世論調査では、与党の国民党が「46%」と最も高い支持を集めており、総選挙はもう4ヶ月先(9月23日)に迫っています。
労働党は、総人口の約3割が暮らすオークランドで、関心の高い住宅問題に切り込む姿勢を見せることで支持を得たいところなのでしょう。
「不動産投資対策」は色々やってきたが...
私がオークランドの不動産投資を始めた頃には、現地での申告に「減価償却費」はすでに計上できなくなっていたと記憶しています。
その後、オークランドの物件購入時の預託金増額、住宅購入後2年以内に再販した場合のキャピタルゲイン税の導入など、「投資家対策」は次々に実行されてきました。
結果的にオークランドの「住宅価格」は落ち着きましたが、「住宅不足」は未だに改善の兆しが見えません。
確かに需要増による価格高騰も問題です。しかし、急激な人口増に見合う住宅供給ができていないことの方が市民生活により大きな影響があるはずです。
労働党は、税控除にメスを入れることによって追加投資の「需要」を抑制でき、さらに、赤字経営の物件を売りに出してもらうことで「供給」を増やせるとでも考えているとしたら、それは誤りです。
投資家を叩いても根本的な問題解決にはならないことは、すでに現政権下で証明されているのですから....
不動産投資をしている「当事者」としては...
私の場合、追加投資として新たな物件を「買うこと」は考えていません。単純に手持ちの資金が十分にないのが理由です。
向こう20年〜30年人口増が見込めて、賃貸需要が強く、インフラ整備が進むことで利便性が増すオークランドの不動産には、まだ魅力があります。
さすがに土地付き物件は利回りが厳しくなりましたが、CBDのアパートメントの中には、高いレントを稼げる物件もあるので、資金があれば政府の政策に関係なく買い増すと思います。
また、手持ちの物件を「売ること」も考えていません。売却する場合、次の所有者が自分で住むために買う可能性があり、その場合、今住んでいるテナントは退去後に住む家探しをしなくてはならなくなります。
もちろん事前通知をした上でのことですが、賃貸マーケットもタイトなので、希望にあった家を見つけるのは大変です。
引っ越し費用や子供の学校のことなど、テナントを不安にさせることになるので、物件を売却するにしても、そのタイミングは「テナントの都合で引っ越す時」と考えています。
また、今ある物件は全てレントからの収入で黒字経営できています。今後レントを上げられる余地もあり、利回りアップが期待できます。
住宅価格がまだそれほど高騰していなかった5,6年以上前から買っていて、長期的スタンスで不動産投資している人であれば、特別な事情がない限り、いま物件を手放す(売る)理由はないでしょう。
これからどうなる?
労働党が政権を取れなかったとしても、今後の不動産投資には様々なハードルを設けられてしまう可能性は否めません。
特に私のような選挙権もないマイノリティの外国人投資家の投資環境は厳しくなっていくことを覚悟しておくべきです。
さらにマーケットトレンドの変調も考慮に入れ、以下の①〜④を頭に入れておくこととが必要でしょう。
①住宅価格の停滞長期化または下落
②赤字賃貸経営の常態化
③薄れる節税効果
④不動産投資向け融資審査の厳格化
これからオークランドで「投資」として住居用不動産を買い、賃貸経営をする場合、資金には相当余裕を持っていないと先行き行き詰まる可能性があります。この点、要注意です。
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