私はニュージーランドの不動産と株式に資産の大部分を投資しています。長期的にみてニュージーランドは有望な投資先だと考えているのがその理由です。
ただ、仮にニュージーランド以外で投資したい国を挙げるとしたら、迷わず「アメリカ」を選びます。
アメリカに投資する場合、広大すぎて不動産はどこに買ったら良いかわかりません。投資できる対象は必然的に「株式」になります。
世界のトップに名を連ねる巨大企業は軒並みアメリカの会社です。時価総額ランキングを見るとトップ10のうち9社、上位50社でも34社(68%)をアメリカ企業が占めています。
投資の神様とも呼ばれるウォーレン・バフェットは、アメリカの代表的大型株500銘柄で構成されるS&P500に連動しているインデックスファンド(以下S&P500)に投資することを推奨しています。
S&P500の過去10年間のチャートを見るとリーマンショックで下げた以外は右肩上がりを続けており、年平均7%近い運用成績を残しています。
S&P500 Index 10 year Chart (Yahoo Finance)
投資期間を10年以上にするとさらに運用成績は上がり、アクティブファンドのほとんどはこのインデックスに勝つことができないという結果になります。
そこでふと気になったのがニュージーランド株インデックスのパフォーマンスです。
ニュージーランドの主要50社(NZ株式資産全体の約9割を占めます)で構成されるS&P NZX50 Index(以下NZ50)の長期チャートをチェックしてみました。
するとそこには予想していなかった結果が待っていたのです。以下、NZ50(青線)とS&P500(緑線)の基準値を期間ごとに比較したチャートを見ていきます。
<過去1年の伸び率>
S&P500がNZ50に対してダブルスコアに近い大差をつけて圧勝しています。アメリカはFRBが利上げしても株価は堅調です。
=基準値の変化=
(NZ50) 6898.11➡️7378.42 6.96%up
(S&P500) 2057.14➡️2388.13 16.09%up
NZ50 vs S&P500 / 1 year chart (Yahoo Finance)
<過去2年の伸び率>
期間が2年に伸びるとNZ50がS&P500を逆転しています。
ニュージーランド準備銀行(NZRB)は2015年6月から政策金利(OCR)の段階的引き下げを開始し、3.5%あったOCRは2016年11月になると半分の1.75%まで低下します。
それに呼応するようにNZ50は上昇を続けていきました。
=基準値の変化=
(NZ50) 5765.27➡️7378.42 27.98%up
(S&P500) 2085.15➡️2388.13 14.81%up
NZ50 vs S&P500 / 2 year chart (Yahoo Finance)
<過去5年の伸び率>
株式市場はリーマンショックから立ち直り、右肩上がりの上昇を続けます。過去2年と比較して、NZ50はS&P500との差を広げています。
2012年はオークランドの不動産価格が上がり始めた年でした。株式投資についても絶好のタイミングだったようで、現在のNZ50の基準値は5年前の2倍になっています。
=基準値の変化=
(NZ50) 3534.92➡️7378.42 108.73%up
(S&P500) 1363.72➡️2388.13 75.12%up
NZ50 vs S&P500 / 5 year chart (Yahoo Finance)
<過去10年の伸び率>
NZ50はS&P500の動きをなぞるような動きをしています。そして2015年後半からS&P500をアウトパフォームしていきます。
=基準値の変化=
(NZ50) 4234.29➡️7378.42 74.25%up
(S&P500) 1530.62➡️2388.13 56.02%up
NZ50 vs S&P500 / 10 year chart (Yahoo Finance)
インデックス投資の目的の1つは、投資対象を分散することによって大負けするリスクを減らすことです。
S&P500とNZ50では構成銘柄が10倍も違う上、企業の規模や価値においても圧倒的な差があります。
上記の結果を持ってしてもほとんどのインデックス投資家はNZ50ではなくS&P500を選択するはずです。
しかしながら、過去10年のNZ50のパフォーマンスがS&P500に遜色ないという事実はニュージーランド株に投資する者としては心強い発見です。
ニュージーランドの住宅価格はここ数年値上がりが激しく、不動産投資の魅力は以前と比べ見劣りするようになっています。
NZドル資産をもち、長期的な資産形成を目指す方にとっては、「NZ50」は検討に値する投資対象の1つになると思います。
ただ注意すべきは、株価上昇が続けばいずれ必ず調整する時がやってくることです。
上のチャートでも5年より10年のリターンが悪かったのは9年前のリーマンショックを挟んだことが原因でした。
インデックス投資で資産を増やすためには、積み立て投資のように投資するタイミングも分散することと長期間持ち続ける忍耐強さが必要なことはお忘れなく。
コメント
コメントを投稿