数ヶ月前、金融株が持ち直してきたタイミングで保有するANZ株(Ticker:ANZ)を全て売却しました。
2年弱の保有期間で値上がり益と配当金を合わせると20%程度の利益となったので、リターンはまずまずといったところです。
売却理由は、既存の銀行に無駄が多いと思うようになったことや、銀行ビジネスの先行きにどうも自信が持てなくなってしまったことなどがあります。
ANZはオーストラリアの4大銀行(NAB、CBA、WBC、ANZ)の1つで、ニュージーランドでのシェアはナンバー1です。
NZXに上場する企業への初めての投資でしたので、時価総額が大きく潰れにくいイメージがある銀行の株ということでANZを購入しました。
しかし、ここ数年金融サービス分野は技術革新によって変化のスピードが増しています。
変化に対応するには規模の大きさはメリットではなく、かえって足かせになる可能性があると判断しました。
ANZはオーストラリアとニュージーランドをメイン市場とし、全国至る所に支店やATMがあり、それらを維持するために相当な費用を支払っています。
私は日本ではネット銀行をメインで使っているので、銀行の店舗を訪れることはありません。
ニュージーランドでも融資の相談などしない限り銀行の支店を利用することはなく、銀行の店舗を見ると無駄にたくさんあるように思えてしまいます。
ATMについても同様です。預金の残高照会や振替・振込は全てスマホで簡単にできます。
買い物はクレジットカード(NZではEftpos)、電車やバスは自動チャージのSuica(NZではAT Hopカード等)などを利用し、ほぼキャッシュレスで生活ができています。
ATMから現金を引き出す機会はめっきり減ったので、ATMがたくさんあることのメリットを感じなくなりました。
ATMは携帯電話が普及した後の公衆電話のような存在になるのではないかと心配するほどです。
スマホでの電子決済分野では異業種のGoogleやAppleが主導権を握る勢いで、融資においてはクラウドファンディングの登場によって銀行以外からの資金調達が可能にになってきています。
ビットコインに代表される仮想通貨を使えば海外への送金手数料は劇的に安くなり、銀行に高額な手数料を払う必要はありません。
Fintecの登場によって銀行はビジネスモデルの再構築を迫られており、対応できなければ将来の成長はありえません。
世界最大の持株会社バークシャー・ハサウェイを率いるウォーレン・バフェットは長期投資で有名ですが、今年上期に主要保有銘柄であるIBMの株式を1/3も売却しました。
バフェットは投資判断に誤りがあったことを認め、数千億円分もの株式をあっけなく売ってしまったのです。
投資金額は全く比較になりませんが、私もANZに投資している理由を自信を持って説明できなくなったので売却することに決めました。
バフェットの「カトリック教徒の結婚ように投資をしなさい。一生添い遂げるつもりで」との名言はよく知られています。
しかし、結婚相手(投資先企業)が思っていた人と違うと感じたら離婚(売却)もやむなし。投資は奥が深いですね。
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