□掘り出し物をさがせ
「ロケーション!ロケーション!ロケーション!」
という言葉の通り、不動産投資の物件選びでは「立地」が最も重要視されます。
ただ、教科書通りに立地だけで選んでも価格が高すぎたりして、希望の条件で物件が見つかることはあまりありません。
今回は、大手不動産エージェントBarfoot & Thompsonの過去と現在のデータを比較しながらオークランド不動産の「掘り出し物」を探してみます。
注目したのは「オークランドセントラル(CBD)の1ベッドルーム」です。
まずは、過去3年間にCBDの1ベッドがどれだけ価格上昇しているか、オークランド全体の中間値と比較してみてみます。
◆CBDの1ベッドの平均売買価格
2014年6月 $312,421
2017年6月 $338,000
価格差 $25,579
価格上昇率 8.2%
◆オークランド全体の住宅価格(中間値)
2014年6月 $626,500
2017年6月 $840,000
価格差 $213,500
価格上昇率 13.4%
オークランド全体の住宅価格は「20万ドル」以上も上がっています。
そんな中、セントラルの1ベッドルームは、たったの$25,000ぽっちです。
上昇率で見ても、中間値に比べ5%も低く、「残念」としか言いようがありません。
では、セントラルの1ベッドは本当に魅力がないのでしょうか。
価格のリターンには目をつぶり、「家賃と利回り」をチェックすることにします。
◆センントラル1ベッドの家賃と利回り
2014年6月家賃 $344/週
2017年6月家賃 $385/週($41/週up)
2014年6月表面利回り 5.72%
2017年6月表面利回り 5.92%(0.2%up)
現在、オークランドで不動産投資をする場合、表面利回りは、3%以上あれば、渋々「まぁ、いいでしょう」の許容範囲レベルで、4%以上あれば優等生です。
また、住宅価格が猛スピードで急上昇したのに対し、家賃の上がり方は亀スピードのため、3年前と比べオークランド全体の賃貸物件の表面利回りは低下しています。
そんな中、CBDの1ベッドの家賃は、過去3年で$41/週も値上がりし、表面利回りは6%弱という数字をたたき出しているのです。
1ベッドの価格が過去3年であまり上がらなかったのが”幸い”して、収入面では特待生レベルのリターンを稼ぐ結果になっています。
□背景に大きな変化の波が...
しかし、気になるのはその原因です。家賃を上げるにはそれだけの需要が必要です。
1ベッド人気の背景には「なに」があるのでしょうか?
そして、この「トレンド」は今後も続いていくのでしょうか?
長期にさかのぼり、20年前と今とで「ベッドルーム別の賃貸物件割合」にどんな変化があるのかをみてみます。
◆1ベッドルーム
1997年 13%
2017年 24%(8ポイントup)
◆2ベッドルーム
1997年 37%
2017年 28%(9ポイントdown)
◆3ベッドルーム
1997年 46%
2017年 34%(12ポイントdown)
◆4ベッドルーム
1997年 4%
2017年 12%(8ポイントup)
※5ベッドルーム以上は数値が小さく、変動もあまりなかったので省略しています。
賃貸物件の主流派だった2ベッドと3ベッドがシェアを大きく減らしている一方で、1ベッドと4ベッドが伸びているのがわかります。
背景にはニュージーランド人の家族構成の変化があり、それにともない賃貸物件のニーズにも影響を与えていることが考えられます。
1ベッド→一人や二人の少人数世帯の増加
4ベッド→親子供と一緒に移住してくる移民の増加
1ベッドの割合は過去20年、きれいな「右肩上がり」で増えていて、賃貸ニーズが堅調にあることを裏付けています。
アパートメントは建設ラッシュが続き、1ベッドの供給が増えていくことを考えると、この人気が続くかどうかは予断を許しません。
しかし、利回りが低くなってしまったオークランドの不動産の中で、黒字経営のポテンシャルをもつ物件は間違いなく「希少品種」です。
しかも価格が3年前からさほど上がっていないということは、価値が過小評価されている、つまり「掘り出し物」の可能性があります。
買う物件さえ間違えなければ、安定した賃貸経営ができだけでなく、Airbnbなど「宿泊経営」へシフトすればさらなる「収益アップ」も狙えます。
ひるがえって、自分の物件は賃貸物件割合で最も減少幅が大きい「3ベッド」の戸建です。
先々、空室が頻繁に発生するようになったり家賃を下げざる得ないようなことがあれば、CBDのアパートメントへ物件の入れ替えを実行します。
もし自分がこれから不動産投資を始める立場だったとしたら、まずはオークランドCBDの1ベッドアパートメントを買うことを「はじめの一歩」にしていると思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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